私は今回の海外出張で大いに勉強になた事が有る。
それは、「海外の冷媒事情」 である。
EU諸国では、温室効果ガスに対しての認識が非常に強いのだ。
日本ではどうだろう?
工業会は冷媒回収などの推進を図っているが、設備会社レベルでみるとどうだろう?
大半の会社は関心はあるが、具体的なことはあまり知らないのが現実である。
大抵は「オゾン層破壊係数が大きな冷媒は使用できない」程度であるだろう。
ここで世界全体での現状をおさらいする。
1990年の京都議定書が原点である。
地球温暖化防止のための国際会議だ。
2008年~2012年までに、1990年比で日本は6%、USAは7%、EUは8%の温暖化ガスの削減を目指す事を協定された。
最終年度である2012年である再来年、までに温室効果ガスであるHFC冷媒は規制の対象となる。
HFC冷媒とは、現在主流で使われている R134a、R404A、R407C、R410Aなどである。
どれもオゾン破壊係数(ODP)は小さいが、温暖化係数(GWP)が1,000以上と数値が高い冷媒である。
昨年末コペンハーゲンで開催された「国連気候会議」は記憶に新しいと思う。
これは京都議定書に続く、今後の国際協議の大枠を取り決める会議である。
これではCO2の排出を2020年度までに平均30%まで削減しようという提案がなされた。
それに難色を示すのは、アメリカ、中国、インドである。
既にU諸国はそのCO2排出削減に向けて、私共と同じ業界では2002年度から自然冷媒であるCO2を使用した設備の研究に乗り出している。
とても迅速な対応である。
日本で現在主流で使用されるR404Aは既に規制の対象となり、EUレギュレーションでは重い課税負担を強いられている。
メーカーや設備業者も関心が高く、新技術開発に取り組んでいる。
それと比較すると日本の業界はそこまで取り組んでいるのだろうか?
考えても 「???」 がつくばかりである。
自動車業界でも同じく、日本と海外とでは異なるのだ。
日本はCO2削減に向けて、「ハイブリット」 や 「電気自動車」 等の取り組みは行っているが、相変わらず主流は 「ガソリン車」 なのだ。
EUはどうだろう?
国民の大半は 「ディーゼル車」 で 「マニュアル」 が主流なのだ。
最近ではハイブリットや電気自動車にも取り組んでいる。
燃料の安さも拍車をかけているが、ディーゼル車はガソリンと比較してクリーンである。
話は脱線したが、これから先の冷媒について話そう。
私が考える将来的な所見ではおそらく数年後先はR410AのどのHFC冷媒を主流に使っているだろう。
また、代替えフロンが開発されればそれを使っていることだろう。
しかし世界的にはR744(CO2)やR717(NH3)に切り替わっていることだろう。
私は今回の海外出張で、自社での取り組みとして海外での常識に後れを取らないようにいち早くCO2やNH3に取り組まなければならないと思った。
地球温暖化について深く考えさせられた出張であった。