2010.12.15 09:51
おはようございます。
今日の博多は 「曇り 気温5℃」 と肌寒い朝を迎えてます。
広島のスキー場では既に雪が降っているとお客様から電話がありました。
さて、今日は 「最近のエコロジー事情」 について書いてみようと思います。
とりわけ私共の業界では 「フロン」 等を冷媒とした冷熱設備を主に取り扱った仕事をしています。
今はほとんど使用しませんが、 「オゾン層破壊物質を含むHFC冷媒」 や現在主流に使われる 「温室効果ガスのHFC冷媒」 などです。
冷凍機は電機を使い駆動するため、日々 「省エネ」 に努めてきました。
先日のドイツ出張で日本と欧米とでは 「環境」 に対する考え方が全く異なっていることに気付きました。
結論から言うと 「ヨーロッパは環境に対してより厳しい考えを持つ」 ということです。
「京都議定書」 にて議決された 2020年までにR-22等のHCFC冷媒の全廃はみな認識しているところである。
しかし多くの私共日本人は 「既存設備の入替えなどではまだまだいける」 と考えている。それどころか現在審議中である 「温室効果ガスであるR-404aなどのHFC冷媒」 は主流に使っているのだ。
ヨーロッパを見てみよう。
環境先進国であるヨーロッパでは既存のR-22冷媒を使用した設備に不具合あがある場合には温室効果係数(GWP)がより低いHFC冷媒に改修しているのだ。また新規の設備に関しては 「自然冷媒系である炭酸ガス(R-744)やアンモニア(R-717)」 や 「温室効果係数が低いR-134a、R-407C、R-410A」 等を使用している。
EUレギュレーションでは既にベルギーなどではR-404aを使用する設備には冷媒にたし課税しているのだ。2011年度からは徐々にその枠を広げドイツなども適用される。
またエコロジー大国(?)日本では省エネ技術が進み、我々の業界では日本が世界一 「環境に配慮した国」 と思っていた。
そう、ドイツ出張するまでは・・・
家電アプライアンス(冷蔵庫、エアコン等)では省エネ最先端技術として 「DCインバーター」 が数多くつかわれている。
エアコンに関しては使用率100%ではないだろうか。
自動車業界でもトヨタやホンダはいち早く 「ハイブリッド自動車」 を開発し世に出していった。
問題はこの 「インバーター技術」 である。
DCインバーターとは負荷に合わせて回転数をリニアに増減することが出来る技術である。
それには高効率なモーターが必要とされる。
そのモーターには貴重資源であるネオジムなどの 「レアメタル」 が使用されるのだ。
ネオジムとは俗に「ネオジウム」とも言われており、原子番号60の金属原子であり 記号Ndで示される。
この金属の主な原産国は中国であり98%にもおよぶ。
日本は 「省エネ」 のためこの 「レアメタル」 を多く使用した 「インバーター技術」 を多く採用しているのだ。
それに対しヨーロッパは 「レアメタル」 を使うことに抵抗があるのか あまり 「インバーター技術」 を使わない。
そう、冷凍機や自動車などあまり採用していない。
我々の業界では、 基本に忠実にというか 「高圧圧力を下げて」 「低圧圧力を上げて」 大きな冷凍効果を上げるシステムを主に使用している。日本では冷凍機がスクリュー冷凍機やスクローロール冷凍機、ロータリー冷凍機を主に使用しているためか高圧圧力を1MPaとしている。
しかしヨーロッパでは0.6~0.7Mpaで運転しているのだ。インバーターはあまり使用していない。
素のままの高効率を狙っているのだ。自動車でいうところの日本は「ターボ技術からハイブリットへ走り」 ヨーロッパは「ディーゼルに走った」というところであろうか・・・
そう、 「レアメタル」 は貴重資源ととらえているのだろう。
貴重資源を安易に使用すること自体が 「環境に対して良くない」 ととらえているのだろう。もっともなことである。
そのためヨーロッパでは発電に 「化石燃料」 ではなく 「原子力発電」 に力を入れている。
欧米では自動車にもようやく 「ハイブリッド車」 を販売し出したが日本ほどではない。
共通の社長である 「ルノー社と日産」。 ようやく最近電気自動車を発売したが 「ハイブリッド事業」 にはあまりテコ入れしていない。
ん~っん。 謎である。。。
しかし、日本もバカではない!最近では 「レアメタル」 を使用しないモーター作りに取り組んでいる。そう、日本人には大きな開発力と技術を持っている。
しかし、それには原産国である 「中国事情」 が絡んだうえでの取り組みである。
もし日本人が 「貴重資源であるレアメタル」 を使用しないために取り組んだことであればとても素晴らしいことなのだが・・・